「リメルト~溶けてゆくセカイ」ビジュアル裏話 1/2

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M3-2023秋でリリースされたウタPの多重コーラスEP「リメルト~溶けてゆくセカイ」についてです。
次回のM3春でも持ち込みされるということなので、この機会にビジュアルのちょっとした裏話をば。

※頒布開始から半年経ちますので、内容のネタバレを多分に含みます※
よろしければ作者のU-taさんのFANBOXを先にお読みください。





M3春の新譜「Lu-Twra Program」でも遠景の背景イラストを担当予定ではありましたが、その前も特に予定がなかったので肩慣らしとしてあわよくば描きたいなぁと応募させていただいたのがきっかけでした。

ジャケットの方向性が決まるまで

ジャケットで一番苦労したところは実は一番最初のフェーズでして、

・紙ジャケットの表裏2P
・背景中心(人物は小さく)
・全4曲
・コンセプトは以下

これを満たすジャケットデザインをどうしよっか……と悩んだ期間が一番長かったです。(4,5か月くらい)
最初は下記の感じで「ConflictとMillionaire」「AcceptとDestiny」をそれぞれ1枚の絵に収めることも考えていたのですが……

没表紙「ConflictとMillionaire」
没表紙「ConflictとMillionaire」

6月頃に歌詞をいただいて、その案は放り投げました。
それぞれの曲が違う地域を舞台としていることが明らかだったからですね。
ちなみに完成したイラストではConflictは中東、Millionaireはヨーロッパ、Acceptはロシア、Destinyは特にモデル地域なしのファンタジーとして描いています。


どうやらちょっと視聴者は四人の物語を眺める役割らしいぞ、という世界観がはっきりしたので「額縁」にそれぞれの風景を収めるというコンセプトにするっと決まりました。
こんな感じです。

ジャケット初期デザイン
ジャケット初期デザイン

収めるべき枠が大体固まって安心したところで各曲のイラストを描いていきました。
背景画のコンセプトについては長くなったので別記事にて紹介します

ジャケットデザイン右往左往

額縁がたくさん並んだ画廊みたいな雰囲気になるかなと完成絵をはめ込んでみたのですが、見ての通り額縁の圧に中身が負けてます。グロテスクにしすぎました……

額縁を抑えめに描き直し、中身のサイズを拡大。さらにグレーの背景の部分には裏表紙の画像をうっすら重ねました。この方が中身の絵の方に目が行くようになったかと思います。……なってますよね?

いったんここでデザインとしては満足していたのですが、入稿数日前になって気づきました。
「このデザイン、きれいにまとまりはしたけど、リメルトである必要ないんじゃ……?」
「凝塊度が足りなくない……?」

そう思ってしまったからには、ジャケット全体を白蝋化させるしかないじゃない!!
お菓子のグレーズドをイメージして作成したものがこちら↓。


私は結構気に入っていたのですが、U-taさんは蝋の溶け具合がリアル寄りのほうがよいそうなので、別案を作成しました。
100均で買ったゴミ箱に溶かした蝋をぶちまけて観察したしずくのたれ具合を……

こうしました。(完成)

DLカードデザイン

タイトルロゴは2.の時点で確定しました。溶けて周囲との境界があいまいになってしまう凝塊化イメージです。

次:アートワークについての裏話

特設サイトや購入はこちらから

リメルト 溶けてゆくセカイ/Remelt: The Melting World

通販:https://boredomnote.booth.pm/items/5163263

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